私は「パブコメ」というのが好きです。
どの程度、好きかというと、過去にこんな記事をあるサイトに寄稿するくらいということで、お察しいただけましたら幸いです。
さらには、記事を書くに飽き足らず、「パブコメをみんなで書こうぜイベント」を企画・実施したりしています。モノ好きですねえ…。
さて、そんな私が気になったパブリックコメントは、山口県は周南市の「大学を生かしたまちづくりの方向性-徳山大学公立化についての市の考え方(案)-」。
まずは募集されている意見と、その対象となる市の考え方をご覧いただきたい。
私の意見は、基本的には、下記の通り。
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シンクタンク機能や生涯学習機能の強化
周南市の「第二次まちづくり総合計画(後期基本計画)」を参照する限り、その総合計画が大学の公立化を想定していない。また、大学をツールとして活用したまちづくりについてのビジョンも具体的な内容は記載されていない。
「第二次まちづくり総合計画(後期基本計画)」自体を議会の議決の元で改定を行い、「大学を「活」かしたまちづくりを前提とした「改定された第二次まちづくり総合計画」のもとで、あらためて公立化を検討する必要があるのではなかろうか。
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新たな学部学科の設置
(1)情報科学部
情報科学部に、周南市の農業を題材にするコース(あるいは任意参加のプログラム)をぜひ作っていただきたい。GAP・HACCPの認証とその運用や、農薬・施肥の記録データベースの整備、潅水の自動化など、スマート農業を実現するための情報科学に基づくアプローチは、これからの周南市において必要不可欠なのではないだろうか。オンラインショップなどの販路開拓や、消費者とのダイレクトマーケティングなどにも、情報科学部の学徒の地域参画は有効であろう。コンビナートのためだけの情報科学ではなく、徳山駅周辺のにぎわいのためだけの情報科学ではなく、周南市全域の農業や漁業・林業に貢献する情報科学を担う学部として設計していただきたい。
また、この一環で、社会教育士や学芸員、教員免許(情報)の資格が取得できるようにカリキュラムを構築していただきたい。
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中心市街地へのキャンパスの整備と
今後のキャンパスの設置について
現在のキャンパス内での現有施設を、周南市の公共施設等総合管理計画に準じて有効活用されることを切に願うが、「費用をかけずに徳山駅および周辺地区にサテライトキャンパスを設置すること」は提案しておきたい。
その他
徳山大学の学部の改組にあたり、「博物館学芸員課程」「社会教育主事課程」を設置することを考えてはどうか。看護学部を除く全学部学科共通で取得できるようにするとよい。
周南市においては、「周南市美術博物館」「徳山市文化会館」が存在しており、アートマネジメント・ホールマネジメントの実習受け入れが可能であろう。大津島には「回天記念館」があるほか、燃料廠ゆかりの産業・平和を軸にしたピースミュージアムの機能と素材が存在する。さらには、「徳山動物園」は全国に名高い動物園である。「新南陽民俗資料展示室」も存在する。
こうした周南市における地域素材を活用する形で、学んだことを付加価値をつけて伝わるように伝えるスペシャリストである「学芸員」「社会教育主事」を周南市で養成することを提案する。
他大学で学んだ方々にも科目等履修生などの形で実習を含めて開放することで、全国各地から「周南市で、学芸員資格取得を目指して短期滞在する」ようなワーケーション型の短期所属プログラムを構築することで、科目単位ごとの授業料収入・入学金収入を確保していくようにしてはどうだろうか。
上記のような感じの意見を、述べ10000字分ほどダラダラと書き出してみました。自分でもどうかしていたと思います…。
ところで、今回のパブリックコメントは、周南市役所の考えに対するものであり、意見を提出できる方は下記の方々に限定されています。
- 周南市にお住まいの方
- 周南市内の事務所または事業所に勤務されている方
- 周南市内の学校に在学されている方
- 周南市に事務所または事業所を有す個人及び法人その他の団体
このパブリックコメントの対象となっている案を見て、「この際、意見を正式に言うために、運営している法人のどれかを「従たる事務所」として周南市のどこかに登記しようかと思ったくらいに、いろいろと意見を書き出してしまいました。最終的には、ある、信頼できる周南市民の方に意見一式をお預けして、その方の意見として採用していただけるエッセンスを有効に使っていただきたいという形で託させていただく…という他力本願なオチに。
ただ、大学って、私立大学なら「私学助成」、公立大学なら「地方交付税交付金」、それに種類問わず文科省や厚労省の「科学研究費補助金」とかが投入されてきているんですよね。それ考えると、国民の血税がこれまで投下されてきた「大学」を活かしたまちづくりを語るからには、さらには、延命と再生の手法として「公立化」を考えるからには、周南市民に限定せずに国民全部がパブリックコメントの対象になるのではないかと思ってやまないところであります。